せっかくなのでハイエンドと言われる2本を並べてみた。このフォデラ インヤンスタンダード(Fodera YinYong Standard)とはもう10年ほどの付き合いになる。ずっとメインベースとして使い続けてきた。4年ほど前に一度プレックで調整したがこれまでノートラブルで使い続けている。
新品ではなくほぼ未使用の中古品だったので新品より10万円以上安く手に入れた。国内代理店のベンコーポレーションのもの。
購入当初はネックが不安定だったが最近は安定しており、やや細めのゲージとの相性もあっているようだ。
アレムビックは30.45のショートスケール、フォデラは34インチのロングスケールなので8cm程度短いのだが、アレムビックが弾きやすい訳ではない。フォデラのネックはローポジションでは細めでネックも薄い、アレムビックはローからハイまでほぼ寸胴のようなネックなのでローポジションは太い。あとネックもやや厚めなのでこのあたりは好みにもよる。あとアレムビックはショートスケールの割にブリッジ以降の弦長が長く、意外にテンションが強め。また弦の選択肢も少なく細めのゲージも選べないので正直弾きやすさではフォデラに優位性がある。
重さは大きな差異はないが、アレムビックはロッドが2本なのでネックが重いため、ややヘッド落ちしやすく、バランス的にもフォデラに軍配が上がる。
音質も全く違っている。まあ当たり前ではあるが、これはアクティブサーキットの構造によるものも大きい。アレムビックのQフィルター(ローパスフィルター)は特殊で、このサーキットで作る音は唯一無二(まあデジタル的にプラグインを複数使えば作れるかもしれないが)と言える。
フォデラにはEMGのPJピックアップを搭載し、サーキットはフォデラオリジナルのアクティブサーキットEQであり、周波数は変更できないがかなり攻める音になる。
サーキットをカットするスイッチもあり、実際にライブではカットして使っていた。
以前ケンスミスも使ったことがあるが、ハイエンドと言われるベース全体でいえることは、すべて個性的で、ネックなどの作りがしっかりしているため、安心して身を任せることができる点かと思っている。