Syncroarts RePitchのインストールまでは前回紹介したが、RePitchはMelodyneと同様にARA(Audio Random Access)に対応しており、VariAudioの同じようにCubaseのイベントウインドウで作業することができる。
※ARA機能で使わないとタイムラインがわかりにくいためARAが使える環境ならARA環境下での使用がおすすめ。
ARAを使うにはメニュー>AUDIO>エクステンション>RePitchを選択する。
するとイベントウインドウの画面が青枠でRePitchが起動していることがわかる。
VariAudioと異なり、波形読み込みに少し時間がかかるためこの点ではVariAudioが勝るが当然だと言える。
RePitchの画面枠の右上の歯車マークをクリックすると設定画面が出る。
注意が必要なのは、RePitchで編集したオーディオデータがどこに保存されているかで、元データではなくコピーが編集されるため、あらたにデータが作成され、保存先がどこなのかもここで設定する。まあとりあえず使うだけなら何もしなくても問題はない。
RePitchもほかのピッチ修正プラグインと同様に横軸がタイムライン、縦はピッチである。上下すると単純にピッチも上がり下がりする。ダブルクリックすると自動的に想定されるピッチに配置される。当然ながら同じ音でも揺らぎがあるため、正確であろうピッチにおいても聞こえ方で違和感がある場合も多い、このあたりは曲調や歌い方など表現に依存する部分も多いため、最終的には耳で判断するほうがベター。
さてVariAudioと比較して圧倒的に強いなと思ったのは、ペンツールでフォルマント波形を直接修正(書き込むこと)ができることである。
この機能はMelodyneには無くて、これは本当に優れモノだと思う。
明らかに後半の伸びが揺らぎすぎなど、出だしが極端にずれてるなど、手書きで修正ができる。もちろん使うには違和感のない程度にとどめることが必須だが、多少の変更では音質変化が少なく、VariAudioのようにカットして、平均化とか自動補正などしなくとも、この機能だけで完結できることも多い。
ペンツールで変更したものが元データとどう違うのかも表示されてわかりやすいのも好評価だと思う。 ただ再生時に波形編集部分が追随したいのが難点かと思うが、波形表示の下段の狭い枠で、今の再生箇所がわかる。まあこのあたりは慣れなのか?改善されることも期待している。
Melodyneと購入を迷ったが、自分自身の使い方から考えると最善の選択だった。あとはうまく使い込むこと。