リリースされてすぐに入手していたプラグインであるが、80年代にもよく使われていたヤマハのCP80の音を再現したプラグイン音源である。
PCMシンセが一般的になるためピアノのないライブ会場でピアノの音を使うにはこれを使うか、ローズを使う(音は違うが)しか選択肢がなかった。
PAレンタルでもローズかこれ(実際には74鍵のCP-70)を使うことが多かった。
このピアノは打弦式で打弦した音をピックアップで拾って増幅するため比較的アコースティックピアノに近い音がするのでライブなどではよく使われていた。
可搬性は高かったとはいえ、結構重かった記憶はある。
リアルなピアノの音とは言えないが、この時代の音楽を作った音であり、ポップスのバックなどではリアルなピアノより使い勝手は良かったと思う。
これを再現したプラグインなので期待が高まるが、意外にプリセットはエフェクトのかかった音が多く、デフォルトでこれだという音は少なかった。
たしかにデフォルトならプリセットなどほとんど必要ないだろう。本体では本来EQ程度しか操作できないのだから、音つくりするにはエフェクターをかまさないと無理。
これにはエフェクト機能も内蔵しているので、音作りの幅は広いと言える。
サンプリング音源らしく立ち上げてから読み込みにそこそこ時間がかかる。このピアノの音はほかにIK MultimediaのSampletankの拡張音源にもあったが、そのままプリセットを使うにはSampletankのほうが使いやすいかもしれない。今聴いても存在感のある音だと思う。