届いた翌日にちゃんと村田雅美ちゃんの歌録りがあったので、そのレビューをする。
TF29は下記写真の通り意外と小さい。ノイマンTLM49やUT Twin87と比較して最も小さい。パッドスイッチも指向性変更もないため、シンプルな構造。
専用の電源ユニットがありこれは115v仕様のため昇圧トランスは必須である。電源ユニットがあるためマイクプリのファンタムは使用してはいけない。
今回の接続はマイク>Rupert Neve Designs Portico511 マイクプリ>Elysia Xpressor コンプでBIG SIXを通しPCに送った。
歌い手の第一印象、、、「めっちゃ音よくて歌いやすい」「音を吸い込まれるような感覚」だった。正直私自身も意外だったのは、周波数特性ではMID,LOがブースト気味だったが、そこまで丸くなくウオームなノイマンTLM103のような印象。高域もちゃんと抜けているが、耳に痛くない。前回の録りでTKM49を使ったが、最終的にシャウトしたハイが耳についたので、EQでカットしたがこのマイクはそれもなく、ハイも気持ちよい程度で伸びていた。今回2曲録り1曲はミックス途中であるが、インサートプラグインはLA2Aコンプのみで、サミング時にRupert Neve Designs Portico551 EQでローを1㎜くらいカットする程度で終わりそうで、そのままでも使える音であった。
録った音を聴いても明らかにチューブらしい粘りのある音が随所に感じられ、ウオームながらも抜けのある良いバランスであった。あと音像が大きい印象もあった。
バックコーラスには音像が強すぎるため、マルチコンプなどでミッドローを若干抑える必要はある。マイクを変えることを厭わないならバックコーラスにはUT TWIN87が良いかと思い。
ちなみにイメージとしては、TLM49はパキッとした音でハリと抜けが抜群なので、マイクに合う声ならハマるが、テレフンケンは誰でもそれなりに良い音になると思った。
オールマイティーとまでは言いにくいが、それに近い使いやすいマイクである。
日本では何故か人気があまりないし、そもそもレビューもない。日本ではノイマン、AKGあたりが人気で、最近はオーストリアンオーディオやLEWITTなどもよく見かける。
理由は定かでないが、テレフンケンは宮地商会が代理店でもあり、コンシュマーへの訴求は求めていないようにも感じた。いずれにせよ2020年の発売当初価格から現在価格は10万円程度跳ね上がり247500円。この価格帯にはノイマンTML49もあるし、TML107あたりは少し安く買える。ある意味中途半端な価格帯になるため、販売は厳しいかもしれないが、セールで安くなっているなら、かなり無難なチューブマイクだと思う。
ちなみに今回入手にあたり海外サイトをかなり参考にしたが、日本より海外サイトの方が人気があるようだ。
テレフンケンというブランド名もあるので、もうちょっと普及してほしいかとは思う。あと気になるのは、チューブ交換だけか、、