サミングミックス時にかなりしっかりした音作りをする方針ですすめている関係で、2ミックスに対するコンプ処理をしている。
もちろん最終マスターにはマキシマイザーを使う前提でレベルを上げると言う意図ではなく、全体バランスも含め欲しい音に近づけるためである。
チャンネルコンプはあまり使っていない。レシオが固定でスレッショルド値のみの設定しかできないため、効きすぎることもあるため必要に応じてキックやスネア、ベースに使う程度。それもスレッショルド値が最大なので弱めに効かせている。
サミング時に以前はBIG SIXのバスコンプだけだったが、最近はElysia Xpressorが入ったので2段で掛けることが多い。
BIG SIXのGバスコンプは簡易版なので、スレッショルドとメイクアップ、オートリリースボタンのみで細かな設定はできない。レシオは1:4固定、アタックは30msと速め。リリースは100msで普通という設定。これにオートリリースが付くだけ。
使用時はレベルが大きな時だけインジケータが付く程度の高めのスレッショルドであまり効かせず、ちょっと引っかける程度。オートリリースは使わず100ms固定で使うことが多い。メイクアップでレベルを少し調整している。これでもこのコンプの威力は抜群で全体が馴染みながらも、ボトムをまとめてくれる。プラグインのように反応が良い訳ではないがむしろアナログらしいアバウトさが良いのかもしれない。バスコンプで抑えすぎると全体がパツパツになるので、このバスコンプで低域を適度の抑えてタイトにするイメージである。ここでellysiaが登場。Xpressorにはサイドチェインフィルターが搭載されているので、ミドル以上のポイントで曲に応じて変化させながら欲しいイメージに近づけている。要するにハードでマルチバンドコンプ(といっても2バンドだが)を実行するようなイメージとなる。Xpressorはかなり細かな設定ができるためアタックはマスターなのでやや遅めだが、リリースはBPMに合うタイミングに設定する。パラレルコンプとしても使えるが、ドライ音はほぼ入れていない。
サイドチェインフィルターは選ぶ帯域でボーカルにひっかかったり、ハイハットにひっかかったりして実際に使ってみないと馴染めないが、使っているうちに自分がどんな音にしたいかで選択できるようになる。ハードはプラグインのようにプリセットがないため、自分で触りながらでないと把握できない。むしろそれがその仕組みを知ることにつながるかと思うので、1台くらいはハードコンプを持つことをおすすめする。その場合最初の1台は手間のかかるタイプ。最低限スレッショルド、レシオ、アタック、リリースが付いた機種が良いだろう。
いずれにしても、最終コンプで音を決めて、DAW側に戻して録る流れになる。その際レベルはあくまでもBIG SIX側のレベルメーターが振り切らないように注意しながらになるが、BIG SIXは多少ピークでオーバーしても簡単に歪まないので神経質にならなくとも結果で判断すれば良い。