Chandler LTD.は英国アビーロードスタジオと業務提携もしながらビンテージサウンドを求め機器開発しているブランドである。
有名な機種にはゲルマニウムマイクプリやマスタリングWQ、REDチューブマイクなどがあり、主にプロフェッショナルスタジオ向けの機材を開発している。
マスタリングEQはUADやSoftubeがプラグイン化もしているので見かけた人も多いかと思う。TGマイクはREDチューブに続くFETコンデンサーマイクだが、アビーロードスタジオのEMIテープレコーダーに搭載されるEQ機能をマイクに装備したちょっとマニアックなモデルである。
テープレコーダーはその特性上実際の音よりレンジが狭い傾向がある。また回転数で音質も異なる。それを補正する目的で搭載されたのがこのEQ。その特性をマイクに取り込んだユニークな製品。また音質に関してはAB2つのモードがあり、モダンなものビンテージなもので特性が異なる。テープレコーダーの補正EQなので表示が分かりにくいが、実際にスイッチを切り替えると変化は明らか。
またこのマイクには専用のパワーサプライが付いていて、マイクと接続するケーブル(4pin)も付属する点もマニアックと言える。
テープEQを駆動させるのに専用電源が必要なのだろうか。
先日このマイクの廉価版が出たが、サイズは少し小ぶりで、テープEQは無く、通常のコンデンサーマイクと同じファンタム電源で駆動する。
音質的には幅広いが、派手な設定にしてもハイがキツイなどもなく中低域の情報量が多くボーカルもまとまりやすい。個人的には今最も愛用しているマイクと言える。
チューブではないため、チューブのような粘りのある歪みは無いが、それでも美味しい部分をきちんと拾ってくれる安定したマイクと言える。
このマイクでリリースした曲を参考までに