UADプラグインの空間系は数年前から進化しており、過去はレキシコンやAMSなど定番ハード機材のシミュレーションが中心だったが、最近はIR系のスタジオシミュレーション系が強化されているようだ。
スタジオシミュレーション系は過去にOcean Way Studioが話題を呼び、IK MultimediaもSunset Studioなどが人気である。自分自身もSunset StudioとFame Studio Reverbを所有していてSunset Studioは頻繁に使っている。UADではCapitol Chamberもお気に入りと言える。
さてこのSound City Studiosはある意味モンスターである。プロスタジオの音響をIRで実現するもので、設定も含め広範囲にわたっている。
ただし使い方は至ってわかりやすいく整理されており、まず前提となるのがリバーブとリマイクの選択。簡単に言えばリマイクはチャンネルインサートで使い、リバーブはセンドリターンで使うのが一般的。リマイクはスタジオ内で演奏し、そのアンビエンスも再現するというもの。
使用用途もドラム、ストリングス、ピアノ、ボーカルなど基本的な音源名から選択できて、それに合った基本セットが表示される。
Sound City Studiosの凄いのはOcean Wayもそうだが、設置マイク毎に種類と距離を変更できて、各々の音量を調整することで欲しい音に近づけること。
またダイナミクスやEQも細かく設定できるだけでなく、Sound City Studiosのチャンバールームの音もここに加えることができるため、スタジオアンビエンスに止まらない花拾い音作りが可能なことである。
マイクの距離だけでなく配置や吸音材などの設定も変更できるため、追及しだすとキリがないので、よく使う音源(例えば頻度と高いシンガーやホーンなど)自分の欲しい音をプリセットとして保存しておくのがいいかもしれない。
いかんせんこのプラグインの弱点はCapitol Chamberと同様かそれ以上に重いこと。ちなみにUAD-2に対応していないためUADのDSPでは動かず、PCのCPUに依存されるためPCのパワーが重要になる。その点で考えるとIKのSunset StudioとFame Studio Reverb
は比較的に軽いため、この辺り上手く使い分けるのが良いだろう。このプラグインはYOUTUBEとかでも絶賛されているが、モンスターなリバーブであることは事実。でも全てのリバーブがこれであっても良い訳ではなく、古いリバーブにもその良さがあることも理解して、うまく使い分けていくのが良いんだろうな。