初めて実際の歌録りに使ってみた。今回はコーラスだけであるが良い結果だった。
ビンテージとモダン2つのモードがあるが、歌にはモダンは厳しい気がする。高域がやや強めで歯擦音も強調される。男性ボーカルでも少し目立つ印象。
ビンテージモードはかなり落ち着いていて、抜けはあっても適度にウオームで使いやすい音であった。ノイマン TML49とは明らかに異なるテイストでTLM49はハイミッドがパキッとしっかり前に出る音。反してTwin87はハイミッドを抑え気味にした出音である。派手な音ではないがしっかり全体の音をとらえている。ノイズはかなり少なく、使いやすいマイクである。ただし全体の感度というのか収音性はTLM49のほうが高いと感じた。ただしこの性能がリップノイズや環境ノイズをとらえやすいこともあり、DTM環境では、むしろTwin87のほうが使いやすいのかもしれない。決してTwin87の感度が悪いのではなく、TLM49に比べハイミッドを抑えている関係で感じにくいだけのようだ。
ちなみにTwin87にはローカットも付いているが、そこまでローが強調されているように感じないので、ローカットせず普通に録って、あとでEQ処理すれば良いと思う。
全体の存在感ではTLM49のほうが高いと思うが、汎用性を考えるとTwin87のほうが使いやすいと思う。ノイマンU87は既に40万超えで、サスペンションも別売。Twin87が4本以上の価格である。確かに良いマイクではあるが、その差を感じられるほどのレコーディング環境でないDTM環境なら、このマイクで必要十分かと思う。87のクローンは他にもいっぱいあるが、個人的にはTwin87の2倍以上の価格であるPeluso P87より、Twin87の方が使える音だと感じている。
Twin87はクローンでもかなり後発であり、Peluso P87は先発である。まだまだ日本では人気もなく、売れていないUTだが、単にクローンではなく自社の独自性を追求しながら真面目に開発している会社だと感じているので、今後の健闘を期待したい。
あとUTが出しているダイレクトボックスが最近気になっている。