現在所有しているシリーズ1と以前持っていたスタンリークラークシグネイチャーモデルの写真を並べてみた。たまたま同じココボロ材だったのでよく似ている。
明らかな違いは2つのピックアップの間にハムキャンセラーがないこと。
シリーズ1はシングルピックアップなのでハムキャンセラーでノイズを防いでいるが、シグネイチャーには2つのAXYというピックアップが搭載されている。これはハムバッキングのようでハムキャンセラーはついていない。
シグネイチャーシリーズはパワーサプライから電源を供給することがないため5ピンキャノンは搭載されず、006P2個でサーキットが駆動する。ちなみにフロントとリア出力を各々単独で出せるのはシリーズ1だけの仕様になる。
古いシリーズ1では、パワーサプライなしで2つのピックアップの音を出せず、本体のフォーンジャックからはどちらか?の出力だけだったようだが、最近のモデルは両方の音を出せるのでパワーサプライがなくともそんなに困らない。
あと見た目の違いとしては、シグネイチャーシリーズにはピックアップセレクターが無いのでピックアップの切り替えは2つのボリュームで行う。
またハムキャンセラーがない関係かピックアップの位置も異なり、シグネイチャーはややブリッジ寄りに配置されている。シリーズ1は指板のエンドからフロントピックアップの位置が近いのでスラップ時に少し慣れが必要かもしれない。
もちろんピックアップの位置が音色に多少影響はしているかと思う。
両方使ったことがある立場で考えると、デザインバランスは間違いなくシリーズ1のほうが良いと思う、シグネイチャーはなんとなく間延びした印象だ。
コントローラー関係は基本的に変わらず、2つのボリュームと2つのQコントローラーと2つのQコントローラーの周波数を3段階に切り替えるスイッチが付く。
アレムビックの音作りはかなり難解でQコントローラーを少し変えるだけで音が変わる箇所があったり、このQコントローラーは単純に回して低音が強くなるとかではないのだ。シンセのフィルターのように「ミャン」という感じで回し過ぎると欲しいポイントからすぐ外れるし、フロントとリアの2つのQコントローラーをいろんな配置にすることで全く違う音になる。慣れるまでこうしたらこんな音になるというイメージが頭に描くことができないのだ。いまだに想像したのと違う音が出たりするのが実態。シリーズ2になると、このQ周波数を3バンド固定ではなく、可変式のようなのでさらに難解になるんだろう。
シグネイチャーも同様のサーキットなのでもちろん音は似ているが、パワーサプライをつないで音を出すと、シリーズ1はパワーアップしたかのように音圧が上がるイメージである。まだ試していないが卓にパラレルで接続して、バランスを取りながらレコーディングしたら楽しいかもしれない。
いずれにしても、マニアックかつ使いづらいベースであるとは思うが、唯一無二の楽器とも言える。