ちょっとマニアなブログ

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Chandler Limited TG Microphone とは

先日届いたChandler Limited TG Microphoneのこと。

仕様としては一般的なFET コンデンサーマイクだが、一般的なファンタム電源には対応せず、外部専用電源で動作するためマイクと中継する電源ユニットは4pinキャノンで接続する(ケーブルはモガミのものが付属)

電源ユニットからプリアンプへは通常の3pinキャノンになるが、このケーブルも付属していた(モガミ製)

マイクは木製ケースに入っていて、その他はサスペンションホルダーも付属するが、このサスペンションホルダーはマイクと接触する部分のクッション材が弱く使い勝手も良くなかった。

マイク自体には、10dbパッドスイッチ、ビンテージサウンドとモダンサウンドを切り替えるABモードスイッチ。TGマイクの売りでもあるEMIテープマシンからリスペクトを受けた5段階のテープEQが付く。指向性は2段階切り替えで、オムニとカーディオイドのみとシンプル。

ちなみに最初間違ったのだが、EQのロータリースイッチが付いている箇所は裏面で、前面はChandler Limited のロゴが表示されている面である。

モード切替でも明らかに音は違っていて、Bだとごく普通で特徴のない音になるので歌録りなどは通常Aだけで事足りるかと思う。パッドは打楽器やギターアンプなどに使うと考えればいいだろう。ただキックなどにコンデンサーを使うとダイヤフラムが伸びるようなので、あまり無理して使わなくていい気もする。

さてこのマイクの本領と言えるテープEQだが、右に回せばどうなって、左に回せばどうなると単純になっていなようで、右の2段階でも違う傾向になる。このテープEQとは、アナログテープの特性上、レコーディングでハイが落ちるなど音質変化が発生するため、これをEQで補正するというもののようだ。NABやIECはそれぞれアメリカ、ドイツの企画でNAB/IECはアメリカ規格で録ったものを、ドイツ企画で再生する際の補正、IEC/NABはその逆になる。15IPSや7.5IPSはテープの回転数を表し、15IPSは38cm/sで19cm/s(1秒間で何㎝テープが回るか)を示す。それを知ると少し理解できる。

アメリカとドイツの規格による補正の違いは判らなくとも、テープ速度が速いと再現性が高くハイも出やすいが、遅いとハイ落ちが激しい。そうなれば15より7.5のほうがハイ補正が強くなると想像できる。まさに実際の音もそうで、15ipsでは太くなる印象で7.5ipsでハイが強まることになる。個人的にはもどもと音が太いので7.5のほうが好みかとは感じていますが、シンガーによって選べるのでなかなか面白いかと思います。

ちなみにこのマイク、電源通すと赤く光るという変な機能を持ち合わせています。w

 

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