WAVESで最も重宝しているプラグインは?と聞かれたらC6と回答するだろう。
このC6はいわゆるマルチバンドコンプ、エキスパンダー。他のメーカーでも今となっては普通にある。
このC6だけの利点は2つのフリーな帯域を選べる機能になる。
C4はこの2つが無い。C4だとハイ、ミッドロー、ミッドハイ、ハイの4か所で帯域を決めてコンプもしくはエキスパンダーを効かせるため、すくなくともハイとローは自由に動かせない。ミッドローとミッドハイもそんなにC6の2つのような自由度は無い。
さてこれをどう使うのか?
たとえば2ミックスのキックだけ少し引っかかりを出したいとする。まず左のフリー帯域のQ値をある程度狭めて、レベルを上げてEQのようにキックのポジションを探る。
キックが大きく出る部分でQ値をより狭めて、欲しい帯域を固定する。
キックを大きくするのではなくハリを作りたいなら、ゲインは0でレンジをー5くらい。スレッショルドはモニターしながら引っかけ。アタックとリリースも欲しい音になるように設定する(アタックとリリースはそこまでシビアじゃなくてもいける場合が多い)この設定時には必ずソロモードにすること。
次に歌の耳につく帯域を凹ませるときにもこれを使う。嫌な帯域を同じように探し、そこでゲインを下げる設定にする。スレッショルド値以上だと音を凹ませるので、耳につきにくくなるのだ。逆にエキスパンダーで際立たせることもできるが、最終2ミックスで使う場合、全体に耳障りをよくすることが多いので凹ませることが多い。
イコライザーで下げがちだが、曲トータルに効かせる場合は良いが、出っ張る箇所だけコントロールしたい時などにEQは使えない。(ダイナミックEQという手もあるが)
しかもC6はかなり狭いQ設定ができるので、ピンポイントの補正ができるのが優れもの。マスタリングで2段で刺すこともあるが、マルチバンド部分は使わないことも多々ある。