サミングミキサーなど不要だと言われている個人業者さんもおられるようですが、個人的な見解では各々の考えかたでいいかと思う。
著名なマスタリングエンジニアの森崎氏は、ITBで全てをこなされています。実際の音も納得できる音。ただ彼にしても長年の経験で実機の音をたくさん経験する中で、プラグインでこれを詰めることができるようになった。
自分自身も過去アナログミキサーと8TRオープンやUREIコンプなどを経て、一時期はPCとインターフェイスだけに移行した。ただし入口が大切だとは理解していたので、マイクとマイクプリにかなり拘ってきた。マイクとプリアンプの沼は底なしだが、それでもある程度のレベルで十分であることが納得できるようになった。
その段階で少し足りない部分を感じ、AMEKなどの2chプリでリアンプなどを試する至った。結果今のBIGSIXにたどりついている。
サミングで何か違うのか? はっきり言ってそんなに大きく変わらないともいえるが、分離感というのか個々の音がよりはっきりする。
BIGSIXでのサミングは単にサミングと言えないか、、DAWでまとめたグループバスにEQやコンプを使ってさらに好みの音にミックスしてDAWに2trデータで戻す作業になるので、サミングアナログミックスという新たな流れかもしれない。
弱点はトータルリコールできないこと。一旦DAWで2trで録った後で、BIGSIXの設定を変えた時点で後戻りできないのである。まあそれがあきらめにもなると言えるがw
BIGSIXは発売当初より話題性に欠けるようだが、1年使ってきてすでに手放せないレベルになった。おそらくこれまで持ってきたプリアンプやインターフェイスより気に入っている。ADDAの性能自体は高くないし、DSPなど内蔵していない。ただ機能制限はあるものの、EQとバスコンプが搭載され、16CHのサミングまでケーブル1本でできる機材は他にない。もちろんインターフェイス内蔵ミキサーなどもっと廉価なものがいっぱいあるが、基本線であるアナログ部分への信頼が重要だと思っている。BIGSIXも今は中国製になったが、1年使う中で基本性能の高さには納得している。ローノイズで音質も以前使ったことのあるXlogicとそん色ないパリっとしまった音。h数は数固定ながらEQのポイントも秀逸。チャンネルコンプは使う部分が限られるが、レシオ設定できないながらもバスコンプも使えるコンプである。
単価的に定価44万円は高いが、マイクプリ数チャンネルと多チャンネルのインターフェイスを検討しているなら間違いなくおススメである。SSLからお金もらったりしていませんので