いわずもがな、80年代のモンスターマシンのひとつであるフェアライトCMIのプラグイン。 当時一般的には普及していなかったサンプラーの走りの一つである。
坂本龍一やピーiターガブリエルなどが使っていたのも記憶にある。
フェアライトはサンプリング機能にシンセシス(タイムシンセ、スペクトラムシンセ)に加え、シーケンサー機能を有していることからもモンスターマシンと言われていた。まあ今から見たらしょぼいが、当時はマルチポイントでサンプリングできることがハイスペックな時代だったからそんなもんでしょう。
このモデルであるシリーズⅡは8bitで32か15khzのサンプリンレートのもの(メモリの制約で32と15ではサンプリングできる時間が違う)だが、このプラグインでは16bit、44.1khzで再生できるようになっている。なので当時の粗さを再現するにはビットレートを変換したほうがいいようだ。
このプラグインも普通にサンプリングができる。なので80年代のモンスターマシンで自分でサンプリングして音作るってことだけで、親父世代はテンションがあがるもん。
サンプリング(PC内のWAVデータを読み込める)タイムは30秒。これはシンクラビアVも同じです。まあ30秒もできれば十分。ステレオ音源でもモノラルに変換されるようだ。
サンプリングできる数は1つのパッチで最大10で、シンセシスを使う場合は、1つのスロットを消費するのでその分が少なくなる。
サンプルの取り込みは至って簡単。各スロット(写真下段の10か所)のフォルダアイコンをクリックしてPC内のファイルを指定するだけ。
取りこんだサンプルのスタートポイントをエンドポイントはマウスなどでコントロールできる。evolutionというパラメーターでもできるし、ループ設定もここでできる。
サンプラーを使ったことのない方にはなじみないかもしれないが、サンプルが短い場合、サスティーンを波形の後半部分のループで再現した。昔はサンプリングタイムに限界があった(メモリが少なかった)ので、長いサンプルを多く使えなかったので、メモリ節約もありこんな処理をしていたのも理由。なので逆にこの時代ならではのテイストになったともいえる。
あとはそのサンプルをどのキーに適用するのかをMap画面で決める。たとえばピアノのC3でサンプリングしたならそこを中心にして、どこまでそのサンプルで賄うかを決める。単純に10個までサンプリングできるので10か所のピアノ音が最大使えるという構造、このあたりもサンプラー初めての方は構造を覚えておけば役立つだろう。¥
今回ここに記載いていないが、このサンプル再生とシンセ音を合成し、もうちょっと複雑なこともできるようだが、このあたりはまた別の機会に紹介したい。
なので前半をピアノで後半のリリース部分にシンセ音を混ぜるようなことができる。
当時これが画期的だったことは言うまでもない。
Arturia V collectionにはサンプラーとして使えるものが、このCMIとEmulatorⅡ、シンクラビアVの3種あるが、どれをどう選べばいいのか?などもわからないと思う。
今回触ってみた結論では、サンプラーとして特にフィルター機能などの必要性がないならどれでもいい。出音のテイスト感で選べばいいかと思う。
少なくともシンクラビア>CMIで音の密度は感じるだろう。CMIはLOFIだが存在感がある。音が